『断熱等性能等級』『一次エネルギー消費量等級』をわかりやすく解説!

この記事でわかること

✔ 「断熱等性能等級」「一次エネルギー消費量等級」とは何か

✔ 2022年度に新設された等級について

✔ 日本の基準と世界の基準

✔ どの等級を目標にするのか

目次

住宅性能表示制度

住宅性能表示制度では、さまざまな評価基準が設けられており、その中の1分野「温熱環境/エネルギー消費量」の中で、「断熱等性能等級」と「一次エネルギー消費量等級」が示されています。

flowchart LR; id1([品確法])-->id2([10年間の瑕疵保証]); id1([品確法])--->id3([住宅性能表示制度]); id1([品確法])-->id4([紛争処理体制]); id3([住宅性能表示制度])---->id5([構造の安定]); click id5 href "https://iedukuri-gym.com/kouzou-taishinntoukyuu/" id3([住宅性能表示制度])---->id6([火災時の安心]); id3([住宅性能表示制度])---->id7([劣化の軽減]); click id7 href "https://iedukuri-gym.com/kouzou-rekkataisakutoukyuu/" id3([住宅性能表示制度])---->id8([維持管理/更新への配慮]); click id8 href "https://iedukuri-gym.com/kouzou-rekkataisakutoukyuu/" id3([住宅性能表示制度])---->id9([温熱環境/エネルギー消費量]); click id9 href "https://iedukuri-gym.com/dannnetsu-jyuutakuseinouhyouji/" style id9 color:red, fill:, stroke: id3([住宅性能表示制度])---->id10([空気環境]); id3([住宅性能表示制度])---->id11([光/視環境]); id3([住宅性能表示制度])---->id12([音環境]); id3([住宅性能表示制度])---->id13([高齢者への配慮]); id3([住宅性能表示制度])---->id14([防犯]);

「断熱等性能等級」は7段階、「一次エネルギー消費量等級」は6段階評価となっており、数字が大きいほど対策がされていて住宅性能が高いことを表します。

今回は、この「断熱等性能等級」と「一次エネルギー消費量等級」の重要性について解説していきます。

「断熱等性能等級」

建物の外皮の断熱性能について、「外壁、窓等を通しての熱損失の防止を図るための断熱化等による対策の程度」を等級で表示します。

クリフ

家から熱が逃げないように、どれだけ対策しているかをUA値とηA値を基に(結露防止基準も加えて)地域ごとに評価しているよ。

「一次エネルギー消費量等級」

外壁や窓などの断熱性能に加え、暖冷房、換気、給湯、照明などの設備の省エネ性能などを総合的に考慮して、
一次エネルギー消費量の削減のための対策の程度」を等級で表示します。

クリフ

家で使用するエアコン・給湯器・照明などの設備が、省エネ基準住宅(等級4)と比較して、どれくらい使用エネルギーを削減できるかをBEIを基に評価しているよ。

2022年度 新設等級について

「断熱等性能等級5・6・7」と「一次エネルギー消費量等級6」が2022年度に新設されました。また、今後2025年には義務化される等級が変わる予定です。

参考:YKK AP|を基に「家づくりジム!」が作成

クリフ

性能に興味のない会社だと、いまだに「うちの家は最高等級です」と言って、断熱等級4だったりすることがあるので気を付けてね。

等級を上げるメリット・デメリット

メリット
デメリット
  • 光熱費の低減
  • 長期優良住宅認定がとれる場合も
    ∟補助金申請ができる
    ∟地震保険が安くなる
    ∟固定資産税の軽減
    ∟住宅ローン控除・金利の優遇
  • 夏の熱中症リスク↓      
  • 冬のヒートショックなどのリスク↓
  • 地球環境保護
  • 建築費の増額
  • 高性能になると対応できる建築会社が限られる

UA値の違いによる電気代の比較

スクロールできます
断熱仕様
(6地域)
UA値暖房一次
エネルギー
冷房一次
エネルギー
設計二次
消費電力量
年間電気代
1kWh=30円
断熱等級4との
年間電気代差額
断熱等級40.8721,290MJ3,915MJ6,915kWh207,450円
ZEH0.616,063MJ4,152MJ6,461kWh193,830円13,620円
HEAT20 G10.5615,202MJ4,183MJ6,382kWh191,460円15,990円
HEAT20 G20.4613,491MJ4,265MJ6,227kWh186,810円20,640円
HEAT20 G30.2610,203MJ4,441MJ5,920kWh177,600円29,850円
主な断熱基準別の一次エネルギー消費量と設計二次エネルギー消費量(太陽光発電なし)

引用:旅と家

※計算条件は様々なので参考程度で見てください。

世界の基準との比較

等級が新設されたが、全く興味がない人やコストを上げてまで等級を上げる必要はないと考える住宅会社も、まだまだ多いのが現実です。

では世界的に見て、この等級はどのくらいのレベルなのでしょうか?

実際に日本以外の国の基準を見てみましょう。

UA値を比較してみると、アメリカは0.43イギリスは0.42ドイツは0.4フランスは0.36、と法律で義務化されており、日本の新設等級6・7に相当します。

このデータを見ても新設等級までは必要ないと言えるでしょうか?

クリフ

世界と比べて日本の住宅性能は20年以上遅れていると言われてるよ!

まとめ:施主目線で思うこと

2025年以降を考える

まずは2025年に等級4が義務化されることから、2025年以降、等級3以下の家に関しては建築物としての適格性を失ってしまう恐れがあります。

さらに日本の住宅の高性能化が進めば基準も変わり、等級4をクリアした家を建てたとしても、10年後、20年後にはやはり適格性を失う恐れがあります。

その場合、等級4の家でも資産価値が保たれるか難しいところです。

目指してほしい等級

等級を上げると、どうしても初期コストが上がってしまいます。

ですが等級を上げていくと省エネ性能が良くなるため、電気代やメンテナンス費などのランニングコストは抑えられます。

資産価値と費用対効果のことを考えると、最低でも等級5以上の基準をクリアできる住宅会社に依頼するのが条件になってくるでしょう。

個人的には、「断熱等性能等級」「一次エネルギー消費量等級」の両方とも等級6(HEAT20 G2レベル)ぐらいが調度いい費用対効果だと考えているので、今後家づくりされる方はぜひ等級6を目指していただければと思います。

また、「断熱等性能等級」「一次エネルギー消費量等級」を上げても『気密性能』が悪いと台無しになるので、高断熱化と高気密化はセットで進めてください。

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